弓取り式

弓取り式は場所中 毎日結びの一番が終わるとその日の最後に行われるセレモニーです。

必ず結びの一番での勝ち力士の方(西OR東)から土俵に上がります。

弓取り式で使う弓は支度部屋に無造作に置いてあって糸は張ってません。弓だけです。

 

弓取りを行う力士は幕下か3段目の四股のきれいな人が選ばれてやります。

私が現役の頃は名弓取りの「福錦」さん(3段目)がやってました。

ある日、たまたま私が国技館に最後まで残ってる日に 私の横で雑誌「大相撲」の記者と

福錦さんがやり取りをしていて なにげなく聞いてると

「読者から質問で弓取り式で弓を落としちゃったらどうするんですか?って

質問されたんですが実際どうするんですか?」と聞かれ

「いいですよ。今日わざと落として見せてあげますよ」と福錦さん。

 

その日、花道から福錦さんの弓取りを見てるとホントに弓を落とし、それを

足で蹴り上げてキャッチし、何事もなかった様にまた弓取りを続けてました。

観衆から大拍手。「大相撲」の記者さんは写真をとりまくる。

弓は手でひろってはいけないんだそうです。知らなかった。

ちなみに弓を足で蹴り上げてキャッチしている写真が翌月号の「大相撲」に

2ページ見開きで載ってました。